道まかせ

長距離走について

2013/12/05
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先月はイベントに関連して月間(正確には休息日を入れての3週間)2,000kmを走りました。ここまで走るのは最初で最後になると思いますが、やってみて気がついた点がありました。思いつくままに挙げると下記の通り。

◆ 毎日乗るのは疲れる
◆ 休息日は必要
◆ 熟睡できて早起きできる
◆ 乗車姿勢(ポジション)が決まる
◆ サドルは何でも大丈夫
◆ アルミバイクでも手組ホイールで疲れ知らず
◆ 体が軽くなる
◆ 自然や文明について考えさせられる
◆ 自転車以外のことを大事にしようと強く思う

では一つ一つ掘り下げてみます。

◆ 毎日乗るのは疲れる
 総合首位に立つためには当初一日平均70~80km走ればいいと計算していました。朝は最低20km走るとしても、夜に50~60km走るのは無理でもない。雨でも走れる準備をしていたので非現実的な計画でもない。しかし、毎日走ると意外に疲れが溜まっていき、休めばその分を別の日に取り返さなくてはならないので休むことへの抵抗がありました。

◆ 休息日は必要
 疲れがどうにも取れなくなった時にやむなく休息日を取りました。体調が戻ったのもそうですが、帰宅時に自転車で帰らならなくてもいいという点で気が楽になりました。長距離走は半分義務半分ネタとして走っていたので、本来の自転車の楽しさからは離れていたのはしょうがない。

◆ 熟睡できて早起きできる
 毎日疲れて帰ってきて寝るのは午前0時過ぎ。深夜にご飯を食べてそのまま寝るという体に悪い生活ながら、朝の目覚めはすこぶる良い。寝不足感も無い。大型家電配送バイト時代に似た感覚でした。体を動かして疲れても翌朝には決まった時間に仕事場に行かないといけない。生活は一緒でした。

◆ 乗車姿勢(ポジション)が決まる
 長時間走ることでいつも決まった姿勢になる。すると疲れないようなポジションに必然的になる。股ズレはわずかにあったもののしばらくしたら解消していたし、バックパックを使用していたために肩周りの若干のコリはあってもそれ以外の痛みは無し。足の筋肉苦痛も皆無。トレーニングではないので筋肉はほとんど使っていなかったと思います。長距離走で体力はほとんど使わなかったけど、体力も付かなかったと思います。

◆ サドルは何でも大丈夫
 ポジションが決まっていたせいか、薄くて硬いサドルでも全く問題はありませんでした。基本は寝ている姿勢、つまりエアロポジションで走っていたのでサドルに乗る体重も少なかったのかもしれません。サドルはそのモデルで一番広いサドルでした。近々試しに別のサドルに替えてみようと思います。

◆ アルミバイクでも手組ホイールで疲れ知らず
 カーボンバイクは振動吸収性があってアルミバイクはそうではないから長距離走ると疲れる、とはよく言われるし実際にセールストークの中で使いますが、今回は手組ホイールを使用したせいか疲れは気にする程度ではありませんでした。一日300km超を走った日でも当日及び翌日も体調には影響ありませんでした。手組ホイールの値段的な優位性は安い完組ホイールの登場であまりありませんが、乗り心地は値段以上のものがあると思います。何より他と違うことができるのがいいと思います。私はリムはMavicでハブはShimanoでは面白くないのでそれ以外で作りました。Shimanoは確かに値段、品質、入手のしやすさはいいですが、他メーカーを駆逐し過ぎたことは良くないと思います。

◆ 体が軽くなる
 楽に長く走ることを心掛けていたためそれほど肉体的には酷ではないので痩せはしないと思っていましたが、結果的には体が非常に軽くなりました。と言いつつ体重計には一切乗っていないので感覚的なものです。レースを生業としていなければ、何ワットだ、何キロだ、という数字に疎くてもいいと思います。楽しいことが最初。それ以外は二の次です。

◆ 自然や文明について考えさせられる
 走る時間は夜がほとんどでしかも田舎道だったので瞑想状態にしばしばなりました。明かりもなく音もなく不思議な感覚でした。後は決めた距離を走るだけ。時間が来れば終わるのでそれまでは考え事をしていました。私の好きな東南アジアの山奥は夜になると明かりは無いために星空がこれでもかと言うくらいに眼前に迫っていました。心を奪われました。しかし、私のいる地域は田舎と言ってもコンビニが適当な間隔であるし明かりも何だかんだであります。そのせいで空はいつも暗くなく星の輝きも損なわれていました。お腹が空いた時にはコンビニを利用していたので存在自体はありがたいものの、星空以上に心に響くのかと言われればそうでもない。人工物と自然物。やはり後者が大事でしょう。
 自転車は燃料も使わずに自然に優しいと言っても自然界で作られた訳ではなく工場で作られます。維持するにも定期的に部品を交換したり油を使うので自然への影響は少なからずあります。私のように複数台自転車を所有している場合だと、人より自動車や公共交通機関の利用が少なくても大して変わらないのではと思うこともあります。そうなると一切の物から距離を置いて生活すべきかと思っても現実的ではない。もしそうするなら仕事をしてお金を稼ぐ意味も薄れるかもしれません。電気の通わない山奥の少数民族の生活でも懐中電灯は使っていたしオートバイもありましたが、それを選ぶのかと言われてもせいぜい一週間が限度かな。

◆ 自転車以外を大事にしようと強く思う
 先月はほとんどの時間を自転車に乗ることに捧げていました。寝ても起きても自転車。乗らない時には有り余っていた時間をいざ自転車に使うとそれが惜しくなる。その時間で他に何かできただろう、って。自転車は楽しい。それでも自転車だけが楽しいのではない。やりたいことが一杯出てきてしまいました。しばらく遠ざかっていた趣味を復活させたくなったり、昔よくやっていたことも再びやってみようと思うようになりました。過ぎたことはどうでもいいですが、イベントを通じて生活や人生に張りが出てきました。これが一番の収穫だったと思います。良く生きよう。
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